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カテゴリー「キット販売」の検索結果は以下のとおりです。

432MHz 500W Power Amp Kit

432MHz用の500W パワーアンプのPCB、使用部材、デバイス等の個別販売、もしくはキットでの販売をしたいと考えています。

基本仕様

動作周波数 : 432MHz (430MHz - 435MHz)

定格出力 : 500W CW@P2dB

Gain : 21.5dB@500W

電源電圧 : 50V (48V)

勿論、当方で組み立て調整後、データ測定した物も承ります。

3450_432_pic.png

3450_432.png

現時点での販売内容は下記になります。価格は未定ですが、30K~35K円程度を考えています。(下記1~3および5のキット)

組み立て調整済み品はお問い合わせください。

1. デバイス : LDMOS MRF6VP3450H (Freesclale/NXP)

2. PCB

3. 使用部材一式 (チップコン、バラン用セミリジットケーブル、端子等)

今後要求があれば下記の物も用意する予定です。

4. 上記用ヒートスプレッダ (全銅製もしくは、銅、アルミの混合)

5. 出力用N型コネクタ

6. LPF

7. 1KW電力合成器

8. ドレイン電源用MOSFET SW基板、他周辺部品

ご興味のある方は下記までメールをお送りください。

info@cealinkdesign.com

432MHz 500W power Amp Kit-2

IMG_20180621_160759.jpg

大分更新があいてしまいましたが、突然再開しました。とりあえず今夏のハムフェアに間に合わせるためにSSPAの冷却に関しての検討を始めました。一般的には高出力PA(SSPAおよび真空管式共に)には空冷タイプの冷却方式が多いと思いますが、今回は冷却能力と小型化のために水冷方式での実験を行っています。とはいっても、一般家庭に冷却用の工業用水が来ているとは思えませんので、放熱用のラジエーターも込みでの実験です。使用部材は最近ではPCの水冷用パーツを流用できますので、入手性は良いと思います。

水冷のために簡単なシステム設計をします。検討には下記を参考にしています。

https://okwave.jp/qa/q9459772.html

上記ページより水の比熱は約4.2J/K・g

今回使用しているポンプの能力は一応仕様上では5L/minです。(ただし、5L/Min時の水路径は明確ではないので、今回の実験時ではもっと少ない流量と思われます)

5L/minの流量を毎秒に換算すると0.083L/Sec、これを水の質量に換算すると83g/Secとなります。したがって、83g/Sec x 4.2J/K・g348.6J/K・Sec≒350J/K・Secであり、1秒あたり350Jの熱を奪う事が可能だそうです。

この事から500Wの熱量は500J/Secとなるので、仮にポンプの仕様通りの流量が確保できれば500J/Sec÷350J/K・Secで1.5Kの温度上昇となります。しかし、上記したように本システムの水路の制限(接続チューブおよび水冷銅板の水路内径)では仕様上の5L/Minは確保できないと思われますので、この辺は実際の温度上昇を計測する事で判断しています。

また、冷却液が水の場合発熱量と冷却パイプ内表面積の関係は10W/cm2程度以下に設定する必要があるそうで、仮にドレイン効率が50%(実際にはもっと高いですが)と想定した場合Pdは500Wとなりますので、下記のパイプ内表面積が必要となります。

500/10=50cm2

使用する水冷銅板の内部水路の直径は仕様書からφ4.5mmとなっていますので、水路1cmあたりの内表面積は1.41cm2となりますので50/1.41=35cmとなり水路の総延長は35cm以上必要となります。これを基本に水冷銅板のサイズおよび内部の水路レイアウトを選択します。

測定風景です。

IMG_20180621_160746.jpg

右側のサーモビューでデバイスパッケージのリッド部分および出力側PCBのマイクロストリップライン部分の温度が上がっている事がわかりますが、温度的には50~60℃程度です。

実際の動作状態(SSBおよびモールスを想定してデューティ50%maxと考えており、500W CWでの実験は未実施)での水温の変化の測定結果です。ただし、実装している水冷銅板は手持ちの関係で予定している物(120mm x 120mm)よりも大きな物を今回は使っています。(まだ未入手のため)

f=432MHz, Vdd=50V

432_Water_Temp-1.png

 上記データから、初期状態(水温は約27℃)から約10℃の上昇に抑えられていますが、やはり冷却水流量の関係で計算値とおりには熱を奪えないようです。この辺は強力なポンプにするなどの方法がありますが、このデータからは動作開始後約3分で熱平衡に達していますので、FMなどのCW運用でフルパワー運用を続けない限りは問題ないと思われます。ラジエーターには特に高速ファンを付けてはいませんが、現状でも放熱能力的には問題無さそうです。

今後500W CWでのデータも取得してみます。このユニットを2合成で1KW、および他の周波数帯用も同様の水冷システムを考えていますので参考にしたいと思います。

(2018年6月25日追記)400W CWおよび500W CW時の水温データ取得しましたので追加しておきます。

432_Water_Temp-2.png

432MHz 500W power Amp Kit-3

本水冷システムの能力は水温的には問題ない(システム内のラジエーターの容量的に)のですが、では本当にデバイスが冷却できているかの確認をしてみました。

確認方法はデバイスのフランジ温度からFETのジャンクション温度を推測する事と、冷却水温度に対してデバイスフランジ温度が適切な関係になっているかを実際に計測してみました。

デバイスフランジ温度はサーモビューにて計測していますが、フランジは金属面ですので下記のよに黒体スプレーを吹いています。ドレインリード部と、パッケージフランジ部分です。

Zoomup_device.png

測定結果です。P01がフランジ温度でS01は四角枠内での最高温度(ドレインリードの取り付け部分?)になります。

500W CW 15秒後 測定温度 : P01:66.18℃、S01:88.87℃

15sec.png

 同30秒後 測定温度 : P01:70.91℃、S01:93.73℃

30sec.png

同5分後 測定温度 : P01:82.41℃、S01:101.99℃

5min.png

同11分後 測定温度 : P01:81.99℃、S01:103.47℃

11min.png

 ちなみに、出力のDCカットコンデンサも高温になっていますが、この部分はサーモラベルで温度確認をした結果では大体100℃前後です。本試験はCWでの連続動作時でのデータですので、実際の使用(SSBやモールス)状況では大分これらの部分の温度は低下すると考えられます。

測定結果からは、動作開始後5分までは温度が上昇していきますが、それ以上では(11分)では熱平衡に達しておりフランジ温度のこれ以上の上昇は確認できません。これは前回の水温の上昇データとも一致しており、500W CW条件での冷却システムとしては5分で熱平衡に達するという事だと思われます。

さて、ではこの温度条件でのデバイス冷却はできているのでしょうか?MRF6VP3450Hのパッケージ熱抵抗はデータシートから0.27℃/Wとなっています。この値は本条件とは規定条件が違いますが、一応データシート記載の最悪値として考えます。実際のSSBなどの低デューティ信号ではもっと低い値です。500W出力時のデバイスドレイン効率は55%(Vdd=50V, Id=18A)ですので、400WがFET DIEで電力消費されています。したがって、FETジャンクション温度とパッケージ間の温度差は400(W) x 0.27(℃/W)で⊿108℃という計算結果になります。この結果からFETジャンクション温度は82(℃)+108(℃)で190℃であり、デバイスのTjmax=225℃以下となります。

また、デバイスパッケージ~ヒートシンク間熱抵抗は、5分以降の熱平衡に達した状態で82(℃)- 40(℃)=42(℃)ですので、ここも42/400=0.105℃/Wとほぼ教科書通りの熱抵抗である事がわかります。この部分は現在はシリコンサーマルグリスを使用していますが、別記事で評価試験を行った液体金属などの熱伝導率の大きな材料を使用すればさらにフランジ温度を低下させる事は可能かもしれません。

432MHz 500W power Amp Kit-4

500W SSPA用のLPFです。(※写真では調整中のため1段目のインダクタに並列にキャパシタを付けています)

RIMG0687.JPG

PA出力の高調波レベルは-70dBc以下が仕様ですが、下記のデータのように現状の高調波レベルはLDMOSの周波数特性が2GHz以上まで伸びているために、相当な量のスプリアスが出てしまっています。PAの回路構成はプッシュプルですので、教科書通りに偶数次高調波レベルは2次高調波で-55dBc程度と低いですが、問題は奇数次(特に3次)です。管面では3次高調波のレベルは-22dBc程度しかありません。(使用しているLDMOSの動作周波数が860MHzまでですので、デバイス自身の動作周波数内に入ってしまっています)

spectrum.png

さて、この高調波を除去しなければならない訳ですが、一応回路シュミレータで計算した結果を示します。2次高調波の周波数で-53dBが得られています。

LPF_Sim.png

実機のネットワークアナライザでの小信号特性です。回路シュミレータの計算結果では挿入損失が考慮されていませんので、通過周波数での挿入損失の実測値は大きくなっていますが、高域周波数での減衰特性はほぼシュミレーション結果の通りになっています。

カットオフ周波数近辺のズームLPF_S21_Zoom.png

高域周波数までの減衰特性LPF_S21_Wide.png

出力部分に実装しているモニタ用の方向性結合器の特性

432MHzで約33dB程度であり、方向性も20dB取れていますので、まずまずの特性ではないでしょうか?高調波周波数域での結合量はほぼ測定限界以下です。

LPF_Couple.png さて実際にLPFを実装してスプリアスの測定をしてみました。条件は500W CWです。残念ながら2次高調波のレベルが-61.24dBcと-70dBcを満足できません。3次より高域周波数帯ではとりあえずは大丈夫なようです。本試験はLPF上の各コンポーネントの温度測定のためにシールドケースの入れていませんので、その辺も高調波の減衰特性に影響を与えているかもしれません。

copy525.png

今後2次高調波のレベル改善と、モニタ用方向性結合器の評価を行います。ネットワークアナライザの実測データでは結合量などは問題ないので、あとは実際にどの程度のモニタ出力(進行波、反射波ともに)が得られるか、また出力電圧のリニアリティなどのなどの評価を行う予定です。

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